旧盆と旧暦七夕

2012年08月29日 | 関連する集落:古仁屋
8月30日は、旧暦7月13日。
旧暦お盆の入り、ご先祖さまを迎える「迎え盆」。
 


台風15号で丸4日間ストップしていた
鹿児島本土からの食料など物資を運ぶフェリーも
29日朝やっと入港。

スーパーに食料品が入荷し、
台風後の混雑と旧盆準備の買い出しで
古仁屋の街は賑わっていました。

「お正月より旧盆のほうが大事よー」という人もいるくらい、
島の人たちは、ご先祖さまを盛大にお迎えします。

その旧盆の迎えを前に大切なのが、
旧暦7月7日の七夕。
今年は8月24日でした



九州から奄美に引っ越してきた私にとって、
初めて旧暦七夕の朝に集落や古仁屋の街を見た時はビックリ。

前日の夕方にはなんにもなかったのに、
七夕の朝、町を通るとパァッといっせいにお花が咲いたかのように
あちこちの家やお店に七夕飾りが登場していたのです。

ただただ「綺麗だなー」と思っていましたが、
職場のシマッチュに理由を聞いて納得。
 


ご先祖さまは旧暦7月7日にあの世を旅立ち
七夕飾りを目印に、
お盆まで7日間かけてこの世に戻って来るのだそう。

そのため島の七夕飾りは、
願い事の短冊は、ほとんどついていません。

目印として
天に近く、なるべく高く高く。
しかも、近所よりも早く、競うように
夜明け前から飾るのです。

なぜか飾ったあとに雨が降ることが多いようで、
今年も例にもれず雨が降りました。
ただ雨に降られて飾りが落ちたほうがいいという話もありますね。



こちらのお宅では、朝6時ぐらいに立てたとのこと。
ひと雨降った後でちょっと飾りが落ちてしまってますが、
親族全員分のアロハシャツ型の飾りを作って、
そこにそれぞれの「名前」と「健康」との願いごとも書いていました。

毎年テーマカラーを決めて、ほとんど手作り、
3ヵ月ぐらいかけて少しずつ準備していたとか。
ちょっとアレンジした竹の形がおしゃれです。





七夕は、ご先祖さまをお迎えするべく、お墓掃除をする日でもあります。
ちょうどお墓へ向かう集落のかたとすれ違いました。
清水集落では、お墓や床の間に
自転車のカゴに入っているブフォ(茅)を飾るんだそう。

「なんでこんなもん写真に撮るの?」と不思議がられました‥。


やはり屋根より高く。



「民宿 海」さんも屋上に。


 



個人宅に合わせて、
町を華やかにと、あちこちのお店でも七夕飾りが。



しばし、古仁屋の七夕飾り散歩をしました。
途中、何度も急に雨が降ったりして
だいぶ飾りが落ちてしまっていますね‥、ご了承ください。。
「写真を撮るなら早朝に」が鉄則でした。


 


 



「喜入文具」さんは、遠くからでもハッと目を引く鮮やかな黄色の飾り!



近くに寄って見ると、ダルマさん!



すごくカワイイと思ったら、「金入」の文字が。
思わずニヤリ。
ユーモアがあっていいですね。

お友だちも巻き込んで手作りしたそうです。


 




「しんえい青果」さんと、「パン工房イマジン」さんの前にあるのは、
町内の高丘保育所、かな保育園、古仁屋小学校付属幼稚園、信愛幼稚園の園児によるものだそう。


園児が自分たちの作った七夕飾りを見にきていたそうです。


瀬戸内町の商工会では、
商店街活性化のために希望店舗に竹を配布。




ちなみに、こちらは旧暦七夕前の「まつや文具店」さんの様子。


飾りは8月初旬から店頭に出していて、
七夕前日のお昼にはすべて売り切れたそうです!
 
 



それでは、古仁屋七夕散歩に戻ります。
 
 
 
 
 
 
 
 


 
 
 
 


 


病院の入り口にも。




消防署にも。こちらは高丘保育所の飾り付け。



町内では、アパートでもベランダにみなさん飾っていたり。
これだけいっせいに七夕飾りを商店だけでなく個人宅でしているのは、
内地ではほとんどないんじゃないでしょうか。

島のみなさんは、
ご先祖さまを本当に大切にしているんだと強く感じます。



ご先祖さま、
もうそろそろ戻ってきていらっしゃるでしょうか?




2012.08.24
瀬戸内町 清水・古仁屋 

S.B.I (瀬戸内町 文化遺産 活用実行委員会)

鹿児島県 奄美大島 瀬戸内町立図書館・郷土館内