用語説明

シマ独特の用語を説明しています。

集落空間

トネヤ
グジと呼ばれる男性神役の居住地。
集落の中の聖域の1つ
(まんでいp17)
アシャゲ
主に稲作儀礼を執り行うための小屋。
集落の中の聖域の1つ。(マンデイp17)
ミャー
集落の祭りが行われる広場。
集落の中の聖域の1つ。
力石
若者が力比べをした石。
古くは占いに使われたと考えられている。
テラヤマ
集落の中の聖域の1つ。
お寺が祀られていたり以前お寺があった場所をテラヤマと呼ぶ集落もある。
カミヤマ
奄美では集落の中の聖域で聖域となる山の事を言う。
グンギン
権現様の事。町内では、グンギン祭りとして9月9日に祭りを行う。
カミミチ
集落の中の聖域とされる道。この道はカミサマが通るので、道を汚したりふさいだりしてはいけないと言われている。
コウエン
集落の山の一部をコウエンと呼ぶ場合が多い。明治期に作られた場所が多い。コウエンには行幸記念碑や忠魂碑が建立されている場合もある。
奉安殿
御真影(天皇の写真)や教育勅語などが安置されている場所。(まんでいp17) 瀬戸内町内では、6か所の奉安殿が、平成18年に国指定登録有形文化財に指定されている。
御殿(ウドン)
集落の聖域。ノロ祭祀と関連がある場所であるとも言われている。
石敢當
魔を払う石。集落のT字路の突き当りに置かれている。自然石を用いている事ある場合や、石敢當と書かれている事もある。石敢當については、中国が起源であるという説もある。
トラヤマ・ムリヤマ
町内の集落の地名。町内にかなりあり、一般に聖域と言われる場所。(町誌p347)
イビガナシ
集落を守る神とされ、集落の安泰を祈願。集落によってはシマコスガナシやシマタテガナシとも呼ばれる。集落を建てた遠祖の墓と言われている。(まんでいp32)
グスク
集落の字名。琉球・奄美の山城である城(グスク)に関連する場合もある。
カネク
集落の字名。砂地の土地を指すことが多い。古い時代の遺跡が見つかることもある。
サト
里すなわち村である。このことにより、現在そこに村がなくても、○○里などと呼ばれ、里と還啓した地名を持つ場所は、そこに村があったことの判断材料となる。沖縄大百科事典 中巻 p219

ノロ・ユタ関係

ノロとは
琉球王府から任命された女性神役のこと。奄美大島のノロ制度について大ききく2つあり、真須知組と須多組と分かれていた。
ユタとは
ムヌシリやフドンなどと呼ばれることもある。また一般的にカミサマと呼ばれている。運気を見てもらうこともある。
ノロ祭祀とは
ノロ神が集落の繁栄や集落民の健康等を祈願する祭祀。農業や漁業とも深い関係がある。
ゴインガナシ
首里王府によって公認された奄美のノロ。ゴインとは首里之印(御印)が押されていたことからそう呼ばれる。ガナシは尊称。(沖縄大百科事典 中巻 p51)
コスガナシ
死んだ人の霊の事を言う。コスガナシは集落によって先祖であり、子供の時に死んだ霊や、旅や船事故でなくなった人であるとも言われている。
グジヌシとは
グジとも呼ばれる。神事を行う神役組織の中でただ1人の男性神役。
アタリ
ノロ祭祀を行う世話役の事
スイド
イガミサマとも呼ばれる神様
ジョウキガミ
アシャゲやトネヤの神屋を新築するとに重要な役割を果たす神様。
スズカミ
神事の時に太鼓を叩く係の神様。シェンドガミとも呼ばれる。
テイノカミサマ
悪魔祓いの神様
ユバン
男性神役のグジヌシの使いをする係。
ノロ(カミ)道具とは
ノロ祭祀の時にノロ神が身に付ける着物や祭祀の時に使用する道具の事。瀬戸内町内でもノロ道具が町指定有形民俗文化財として指定され、保存されている。
神扇
ノロ道具の1つ。大型の扇子であり、ミガキと呼ばれることもある。扇の表に太陽対の鳳凰瑞雲が描かれ、裏は月、瑞雲、岩、ハベラ(蝶)、牡丹の花が描かれる。
ノロ祭祀の時に使用する鉦。「網野子集落で鉦はキンノビンダレ」と呼ばれていた。(瀬戸内町文化財ハンドブック)
ノロ辞令書
琉球王府から辞令書をもらったノロを奄美では御印加那志という。瀬戸内町では、1602年瀬戸内町西間切古志ノロ辞令書が確認されている。
サジ
ノロが祭祀の時に身に付ける鉢巻
胴衣
ドギンという。ノロが着用する着物。絹や木綿製である。
下裳
カカンという。ノロが着用する着物。プリーツスカートの様な形状をしている。
丸櫃
ノロが使用する玉類(首飾り等)を収納する櫃。そのうち多くが琉球漆器である事が多い。