島の昔の道具たち

2012年06月20日
加計呂麻島の諸鈍集落へ
いろいろな道具を受け取りに行ってきました。


昔使っていた農具などが
ご自宅に眠っていて、
瀬戸内町立郷土館へ寄贈してくださるとのこと。
 


瀬戸内町立郷土館の学芸員が
「この道具はいつ頃作りましたか?」
「どんなふうに使っていましたか?」
「なんて呼んでいました?」
などなど、お話をうかがいました。



こちらは、農作業で使う牛につけた鞍(くら)。
昭和30年頃に大工さんが、
その牛に合わせてオリジナルで作ったそうです。

牛の背に乗せて荷物を背負わせたり、
綱を介して鋤(すき)をつけるなどしてました。



一番右が、鋤(すき)。
昭和16年に農業講習会で賞を取り、
記念品としてもらったそうです。

鞍から綱でこの鋤をつけて畑を耕していました。
ガンコ鋤と呼ばれ、
なんでも起こせる一番強い鋤だったそうです。


鋤の左に写っているのは、杵(きね)。
シマグチでアディン。桃の木で作られています。
ちなみに臼は松の木製だったとか。



これらの道具は
昭和40年代まで利用。

「戦後はこれでいろいろな仕事していたよー。
牛は頭が良くて、力も強くて、
人間より仕事してたねー」と持ち主のSさん。




奄美大島の日本復帰後、
しばらくは島に耕運機やブルドーザーなどが入ってきてなかったため、
牛や馬が活躍していたそうです。




石臼もこんなふうに再利用されていました。



屋根が飛ばないように重しにもなってました・・。



こちらも寄贈していただきました。
奥さんが使っていたという、糸繰車。




いただいた道具をフェリーかけろまに乗せて運んでいたところ、
すれ違うお年寄りたちが
「あれー、珍しいねぇー」
「昔使ってたよー」と
懐かしみながら話しかけてくださいました。



瀬戸内町立郷土館では、
このような民具などを多数展示しております。
島の人たちの昔の暮らしを垣間見ることができ、
とても興味深いのでぜひお越しください。



また同時に寄贈も受付けていますので、
ご自宅に貴重な民具などが眠っていましたら、
ぜひお教えください。



瀬戸内町立図書館・郷土館
電話 0997-72-3799

メール s.bunkaisan@gmail.com





2012.06.14 
瀬戸内町 加計呂麻島 諸鈍

S.B.I (瀬戸内町 文化遺産 活用実行委員会)