「なんこ 瀬界(せかい)大会」が中央公民館でありました。
昔からシマに伝わる遊びを楽しみながら継承しようと、
町社会教育課、町立図書館・郷土館が主催。
なんと下は6歳の幼稚園児から
最高齢75歳の幅広い世代が参加!
瀬戸内町のALT(外国語指導助手)、
アメリカ出身のシャノン・グリッパンドさんも出場し、まさにワールドワイド。
こども37人、大人17人の計54人が、
真剣勝負の瀬界(世界?)を繰り広げました。
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開会式を終えて、まずは徳永 允(まこと)先生による「なんこ講義」。
徳永先生は、俵中学校を校長で定年退職後、
現在は、瀬戸内町教育委員や古仁屋中特別支援教育支援員などでご活躍されています。
なんこの歴史、
玉(棒)の持ち方や、手の出し方などを実演をまじえ説明してくださいました。
「なんこは、先輩方が引き継いできた、いわば伝統芸能です」。
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「なんこ」は、中国がルーツ。
旧薩摩藩で広まったお酒の席での遊びです。
2人で、なんこ盤と呼ばれる木製の台を挟んで向きあって対戦。
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1人3本ずつの玉と呼ばれる棒を持っています。
自分の思った数を手の中に隠して握り、
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それをなんこ盤の上に出し、
「(合わせて)◯本!」
と、お互いに持っている玉の合計数を当てていくという、
基本はとってもシンプルなゲーム。
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瀬戸内町でもなんこ遊びが盛んで、
忘年会やお祝いの席でも場を盛り上げるためによく行われています。
シンプルなだけに、
わざと1本見えるように手を出したり、握り方を工夫したり。
相手の目をじっと見たり、困惑させるような表情をしたり。
みなさん自分なりの戦術を編み出していて奥がとても深いですね。
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「◯本!」と、
数を言う時も、独特の言い回しがいくつかあるようです。
・0本 「ムナ!(無)」 「フイタ(空、吹いた)」
・1本 「テンノウヘイカ(天皇陛下は1人しかいないから)」
・2本 「ゲタンハ(下駄の歯が2つなので)」
・6本 「キョーデー(兄弟)」3本と3本で、お互いに同じ数を出しているとの意味。
※1本と1本、2本と2本でも使う言葉。
などなど、これはほんの一例。
その他にも、そのシマだけとか仲間内だけの言い方があるようで、
それもまた面白いですね。
お酒の席では、、
負けたほうが注がれたお酒を飲み干すというルールも。
今回は残念ながら(?)、
子どもが多かったので焼酎は出ていませんでした。
*
3対3の団体戦からスタート。
18チームで予選リーグ、その後12チームで決勝トーナメントが行われました。
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まずは、このように魚の形を作って、好きな玉から交互に取って行きます。
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これは「鯛」を表していて、
とくにお祝いの席では海から福をもたらしてくれるように願って、
尾が海側に向くように置きます。
目玉をお酒を入れたおちょこで作り、
そのお酒でなんこ盤と玉を清めてから開始する場合も。
*
団体戦では、検見役(審判)を大人が務め、
子どもには遊び方やテクニックなどを少しずつ伝授。
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う~ん、いい表情してますねー。
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女の子もいっぱい参加してくれました。
体力に関係なく遊べるからいいですよね。
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団体戦での一コマ。
幼稚園児の陽逞くんと、一般の新田さんが対戦。
実は新田さん、この後の個人の部で優勝しています。
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幼稚園児、なんと勝利! 思わずガッツポーズ。
まわりの大人からも歓声があがりました! 将来が楽しみです。
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ALTのシャノンは、
「忘年会とかで毎回やっていて、面白くて好き。アメリカの友だちにもなんこを紹介したい」と、
なんこを気に入っているようです。正座もバッチリ。
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団体の決勝戦では、中学3年生VS小学生きょうだいチーム。
小学生負けてしまって、本当に悔しそう!
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個人の部では、54名がエントリー。
いつも落ち着いて冷静な戦いかたをする小学生も。カッコイイ!
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個人の部の準決勝。
大人の真剣勝負に、子どもたちも興味津々。
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個人戦で新田さんに負けた子どもたちが、自分の夢を託し、
一緒に応援。連帯感が生まれています!
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個人の部、3位決定戦。
平成17年生まれの小学1年生 VS 昭和18年生まれ今年70歳の徳永先生。
年齢差60歳以上!!
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すべてが終了し、閉会式。表彰が行なわれました。
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< 団体の部 >
【 3位 】 チーム「新極真いろいろ」
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左から古仁屋小学校2年坂中くん、4年の西田くん、茂野くん。
【 準優勝 】 チーム「伊藤きょうだい」
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左から古仁屋小学校4年生の伊藤雄大くん、2年生の凛くん、5年生の楓華ちゃん。
【 優勝 】 古仁屋中学3年生チーム 「チョッパー」。
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左から早川くん、山畑くん、徳永くん。
< 個人の部 >
【 3位 】 徳永允さん (すみません写真撮りそびれました)
【 準優勝 】 栄 勘太くん (古仁屋小学校5年生)
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そして「初代 なんこ瀬界一」に輝いたのは、
【 優勝 】 新田 孝博さん (一般)
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決めセリフは「勝負ですから」。
見ている人を惹き付ける迫力のパフォーマンスとともに、
華麗に勝っていった新田さん。
子どもにも手加減なしに勝負の厳しさ、
そして面白さを継承(!?)してくださって、
大会を盛り上げてくれてました。
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はじめは、子どもが参加して楽しいのかな?と思いながら、
見ていたこの大会。
初めての子も、あっという間にルールを把握し、
待ち時間中も自分たちだけで、どんどん練習し夢中に。
小学生だということを感じさせないぐらいの真剣な表情で、
その戦いぶりに、惚れ惚れするほどの子も。
子どもたちは「なんこ」という文化がシマにあることを肌で感じ、
世代を超えて楽しめた大会となったようです。
2013.2.24 瀬戸内町 古仁屋
S.B.I (瀬戸内町 文化遺産 活用実行委員会) 広報K
鹿児島県 奄美大島 瀬戸内町立図書館・郷土館内